何もできずにそばにいる

鈴木絢音ちゃん

『新しい世界』は鈴木絢音への当て書きである

乃木坂46の20thシングル『シンクロニシティ』収録のアンダー楽曲『新しい世界』に関する備忘録。

 

この楽曲のセンターは2期生の鈴木絢音である。

 

表向きのテーマとしては、「新しい世界に向けて憧れを抱く女の子たちが、自分達のメッセージを届けようと発信する事」ー乃木坂46公式記事よりーとなっている。

しかし歌詞をストレートに読み取ればわかるように、裏テーマはバイセクシャルの物語。それは楽曲を取り巻く随所に見られ、振付ではセンター脇の斉藤優里さん曰く、「新しい世界ではイントロの振付で私と絢音ちゃんが愛し合ってるという設定なんですけど、最後の最後で実は中田花奈ちゃんと絢音ちゃんが手を繋いでたっていう振付なんですよ。」ー5月7日放送THE魂にて

 

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こちらの考察も多いに掘り進めたいところだが、ここでは表題の件について書き進めていこうと思う。

 

MV冒頭の鈴木絢音独白

 

「もしもし?聞こえますか?私たちは、誰もいない星にいます。まだ見たことのない新しい世界へ、このメッセージが届きますように。」

 

ここで視点を変えると「新しい世界」=「選抜」とも読み取ることができ、『新しい世界』という楽曲の中でセンターである鈴木絢音の現状と未来を描いているとも言えないだろうか。

 

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MVの類似性:『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』で主演に抜擢される齋藤飛鳥、『ブランコ』で翼を授かる寺田蘭世。両名とも次作で選抜へと羽ばたいていった。

 

【歌詞抜粋】

前提:僕=鈴木絢音、君=現状(アンダー)、彼=未来(選抜)

「この胸の中で目覚めた世界は いつからかなんとなく気づいてた 本当の自分を僕は認める 君よりも彼を愛していることを」

 

「ずっと否定していた まさかの気持ちを受け入れて 初めての感情が溢れ出したよ」

 

 「(選抜に入りたいという明確な意志表示をしたことを問われ)私はずっと斜に構えてるというか、中二病をこじらせて不言実行がかっこいいと思っていたんです。でも、言わないと始まらないこともあるし、発言することで叶うこともあると分かってきて。これからは積極的に口に出していこうと思っています。」EX大衆201804号にて

 

「カーテンを開けて広がる世界は 繰り返し何回も見てた夢 君にはこれ以上嘘はつけない 世界一僕が愛している人だ」

 

「もし私が選抜に入ったら、(同期と共に活動することの少ない)みおちゃん(堀未央奈)の孤独を少しでも和らげることができるかもしれないし、そばにいて少しでも不安を取り除いてあげることができるかもしれない。そして、それが私が選抜を目指す“目的”になりました。」日経エンタテイメント2018春号にて

 

「新しい世界」へ向かってもがき羽ばたこうとする女の子。まさしく現状の鈴木絢音ではないだろうか。

 

彼女は冠番組などでのメディア露出のイメージから、無口でクールな印象を根強く持たれていた。端から見るとどこか大人しく控えめな印象の彼女。しかし握手会などで彼女を良く知るファン達は、そのようなイメージは持っていなかった。そこから一転、昨年半ばから歌番組での選抜代打、乃木坂工事中での活躍などで一躍スポットライトが当たり始め、アンダーアルバム『僕だけの君』収録の『自惚れビーチ』において初めてアンダーセンターに立つことになった。ポップでキャッチーな王道アイドルソングである『自惚れビーチ』。その楽曲を歌うことを受けて、周りがイメージする彼女とのギャップを問われた時の発言がとても印象に残っている。 

 

「嫌な時期もあったんですけど、いまは番組でおとなしいイメージをつけてもらってよかったと思ってます。ギャップがある人って素敵じゃないですか。『自惚れビーチ』までの伏線だと思うとラッキーだなって。今年はポジティブに生きようと決めてるんです。」EX大衆201803号にて

 

ゆっくりとはっきりと、彼女の輪郭が浮かび上がろうとしている。

 

『(プリン会での活動を受けて)全部本当の自分なんだけど、イメージとのギャップがありすぎて不安に感じる人が多いんじゃないかな(笑)。このままだと「俺の求めている絢音ちゃんじゃない!」という声が聞こえてきそう。』ー月刊エンタメ201806号にて

 

この自己分析力である。彼女は変化してきているのか、それとも元来備わっていたポテンシャルが表出してきているのか。

 

「この胸の中で目覚めた世界は いつからかなんとなく気づいてた これからどうやって生きていくのか? もう一人の自分も愛されたい」

 

生駒里奈卒業コンサートで『てもでもの涙』をデュエットし、「託された」彼女。ヒロイン役として外舞台に真摯に向き合い、自信を付けていく彼女。そして初のアンダーライブ座長公演に向かおうとする彼女…。

 

彼女を取り巻く世界は急速に歩を進めている。

 

2016年3月、彼女はブログにこう記している。

「私は保守的で内向的な性格で、自分から一歩を踏み出すことが苦手です。でも、乃木坂46の活動を通して、新しい世界、未知の世界に触れることの楽しさを知りました。一歩踏み出せば、日々の生活、身近な人との関わりでも変化がもたらされ、世界が広がります。」

 

これから何度、僕たちに「新しい世界」を見せてくれるのだろうか。

 

彼女の未来を思うと、胸が躍る。

  

以下6月加筆

※個別握手会にて『新しい世界』を初めて聴いた時の感想を尋ねてみたところ、今では少し違うイメージになったが、「冷たい楽曲」という印象だったとのこと。

 

そして始まったアンダーライブ、その1曲目は『新しい世界』。初めての3期生との合流、再構成されていくアンダーライブ。

内容としては非常に前向きで心の底から楽しいライブであった。彼女自身も未来につながるライブ、これからのアンダーライブの礎となるようなライブを目指していたという。ともすれば過去・現在の不遇・葛藤を語ってしまいがちなMCであっても、そのような逆境のエモさを前面に出すことは一切なかった。

 

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彼女はこの2ヶ月間を「アイドル人生で最も忙しかった。」と振り返っている。その経験が自信となって、自信が確信となっていく。この貴重な瞬間を追いかけられることに感謝しながら、彼女が「新しい世界」を作っていくほんのひとかけらでも力になれたらと思う。

 

まもなく21枚目シングルの選抜発表。

 

絶対忘れない ひと夏にしような。